「東の小紋、西の友禅」という言葉があるように、ともに日本の代表的な染め物として存在します。
同じ染めものと言っても、江戸小紋は渋さと粋を身上とするのに対し、友禅は色彩豊かで、華やかさを
身上としています。そして、この江戸小紋と友禅は、お互いに異なった雰囲気を持っています。
江戸時代 社会情勢が厳しき折、奢多禁止令を出しました。人は不思議なもので、ぜいたくする事が
禁じられると、それを破りたくなるものです。禁止令が出れば、禁止令に触れないように、美しいものを
求めだすものです。どのような時代にあっても、美しく装いたいという女心は変わらないということに尽きます―。
そうしたことから、生まれたのが友禅染めという彩りのある模様染めだったのでしょう。