江戸小紋(至凡氏きものばなし)

武士の裃(かみしも)の染柄で、これにつける小紋柄は「家」を象徴した。

将軍家をはじめ、諸藩では特定の小紋柄を定め、「留柄」と称して裃を染めたのである。

徳川家の松葉、紀州家の極鮫、武田家の武田菱など、その種類は多く、これを「定小紋」と称した。

遠目には無地のように見えるが、しかし柄や地色には趣向を凝らし、近付いて見ると型や染の美麗さが目につく。